コーヒーのカフェインや刺激が少し強く感じられるとき、私たちの心と胃腸を優しく包み込んでくれるのが、日本の伝統である「緑茶」です。

「お茶を飲む」という行為は、単なる水分補給ではありません。

特に30代、仕事のストレスが腸に響きやすい世代にとって、緑茶に含まれる成分は「飲むマインドフルネス」とも言えるリラックス効果と、腸内の炎症に立ち向かう力を与えてくれます。

南部鉄器で沸かしたまろやかなお湯で、丁寧に淹れる一杯。

その贅沢なメリットと、潰瘍性大腸炎(UC)患者としての賢い付き合い方を解説します。


1. 「エピガロカテキンガレート(EGCG)」の抗炎症作用

緑茶の主成分である「カテキン」、

その中でも特に注目したいのがEGCG(エピガロカテキンガレート)です。

  • 腸の炎症にアプローチ: 多くの研究で、EGCGには強力な抗炎症作用や抗酸化作用があることが示唆されています。UCという「炎症」と戦う私たちにとって、日々の水分補給でこの成分を取り入れられるのは大きなアドバンテージです。

  • 腸内細菌のバランス: カテキンには悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌が住みやすい環境を作る手助けをする働きもあります。納豆やぬか漬けで作った「お腹の畑」を、緑茶が守ってくれるイメージです。


2. 「テアニン」によるストレスケアと集中力

30代のビジネスマンにとって、ストレス管理は寛解維持の鍵です。

  • リラックスと覚醒の共存: 緑茶に含まれるアミノ酸の一種「テアニン」は、脳の興奮を鎮め、リラックス状態を示すα波を出す働きがあります。コーヒーのような急激な覚醒ではなく、穏やかに集中力を高めてくれるため、仕事の合間の休憩に最適です。


3. 【重要】南部鉄器ユーザーが知っておくべき「鉄分」との相性

ここで、以前ご紹介した「南部鉄器」の愛好家として、絶対に外せない注意点があります。

  • タンニンと鉄の結合: 緑茶に含まれる渋み成分「タンニン(カテキンの一種)」は、鉄分と結合しやすい性質を持っています。

  • 鉄分の吸収阻害: 南部鉄器から溶け出した貴重な鉄分ですが、緑茶と一緒に摂るとタンニンと結びついて「タンニン鉄」になり、体内への吸収が妨げられてしまいます。

  • 対策: 貧血が気になる時期や、鉄分補給を主目的とする食事(赤身の魚や貝類など)の直前・直後は、緑茶を少し控えるか、30分〜1時間ほど時間を空けて飲むのが賢明です。


4. 【UC流】緑茶を楽しむための3つの鉄則

お腹への刺激を最小限にしつつ、メリットを最大化するための私のルールです。

  1. 「ぬるめ」で淹れる: 熱すぎる飲み物は、それだけで消化管の粘膜への刺激になります。南部鉄器で沸かしたお湯を一度湯呑みに移し、少し冷まして(70〜80℃)から茶葉に注ぎましょう。テアニンの甘みが引き立ち、胃腸にも優しくなります。

  2. 「空腹時」を避ける: 胃が空っぽの状態で濃い緑茶を飲むと、カテキンが胃粘膜を刺激して不快感が出る場合があります。炊きたてのご飯を食べた後や、おやつ(甘酒など)と一緒に楽しむのがおすすめです。

  3. カフェインの量を調整: 緑茶にもカフェインは含まれています。活動期で便回数が多いときは、カフェインの少ない「ほうじ茶」や「京番茶」に切り替えるなど、お腹の状態に合わせて調整しましょう。


おわりに:一杯の緑に、平穏を託して

南部鉄器の鉄瓶から注がれる、透き通った黄金色の緑茶。 その湯気をゆっくりと吸い込み、一口含む。 忙しい30代の日常の中で、この数分間だけは「炎症」からも「仕事」からも解放される大切な時間です。

お米、しいたけ、昆布、そして緑茶。 日本の伝統的な食文化は、巡り巡って私たちの腸を守る最強のバリアになってくれます。

明日もまた、炊きたてのご飯と温かいお茶がある。 そんな当たり前の幸せを、自分自身で丁寧に作っていきましょう。