「まごわやさしい」という、健康な食生活の合言葉。

その冒頭を飾る「ま(豆)」に続く「ご」こそが、今回主役のごまです。

一粒はとても小さいですが、その中には現代のストレス社会を生き抜く30代男性に必要な栄養素と、炎症と戦うための成分が凝縮されています。しかし、ごまはその「構造」ゆえに、UC患者にとっては少し注意が必要な食材でもあります。

「ただ振りかける」だけではもったいない、ごまの真価を引き出す方法を探っていきましょう。


1. 「ゴマリグナン(セサミン)」が細胞のサビを防ぐ

ごまに含まれる成分で最も有名なのが、セサミンをはじめとするゴマリグナンです。これは非常に強力な抗酸化作用を持っています。

  • 30代の老化・ストレス対策: 仕事の責任が増し、酸化ストレスを受けやすい30代。セサミンは、活性酸素を除去し、肝機能をサポートすることで、全身の若々しさを保ってくれます。

  • 炎症の抑制を助ける: 抗酸化作用は、体内の微細な炎症を鎮めることにも繋がります。UCによる腸の炎症と日々戦っている私たちにとって、抗酸化物質を日々の食事から自然に補給することは、最高のセルフケアになります。


2. 天然のミネラル・ビタミン剤として

しいたけのビタミンDや、南部鉄器の鉄分とも相性が良いのが、ごまに含まれる豊富なミネラル群です。

  • 骨を支えるカルシウム: 牛乳が体質的に合わない(乳糖不耐症)ことが多いUC患者にとって、ごまは貴重なカルシウム源です。しいたけの記事でも触れた通り、ステロイド治療の影響を気にする方には欠かせない要素です。

  • 皮膚や粘膜を整える「亜鉛」: ごまには亜鉛も豊富です。亜鉛は粘膜の修復を助けると言われており、傷ついた腸壁を治そうとしている私たちの体にとって、なくてはならないミネラルです。


3. 【最重要】UC患者が守るべき「食べ方」の注意点

ごまは素晴らしい食材ですが、UC患者、特に消化力が低下している時期には「リスク」を孕んでいます。ここが、この記事で最もお伝えしたいポイントです。

① 「すりごま」でなければ意味がない

ごまの外皮は非常に硬く、セルロースという不溶性食物繊維でできています。

  • リスク: 粒のまま(いりごま)食べると、人間の胃腸ではほとんど消化されず、そのまま排出されます。

  • 対策: UC患者にとって、消化されない粒は腸壁を刺激する「残渣(ざんさ)」になります。必ず「すりごま」または「練りごま」の状態で摂取してください。細かく砕くことで、中のセサミンや栄養素が初めて吸収可能になり、腸への刺激も最小限に抑えられます。

② 「不溶性食物繊維」としての側面

ごまは食物繊維が豊富です。

  • リスク: 活動期(再燃期)で下痢が続いている時期や、狭窄(きょうさく)がある場合は、いくらすりごまであっても、その繊維質が負担になることがあります。

  • 対策: お腹の状態が不安定なときは無理に摂らず、寛解期の「ベースアップ」として活用するのが賢明です。

③ 脂質の質

ごまの約50%は脂質です。

  • 対策: 良質なリノール酸やオレイン酸ですが、脂質制限がある時期は摂りすぎに注意しましょう。1日小さじ1〜2杯のすりごまを、サッと振りかける程度が理想的です。


4. 私の「ごま生活」のルーティン

私は、愛用する道具と組み合わせて、ごまを「儀式」のように取り入れています。

  • ジオの鍋で「追い煎り」: 市販のすりごまでも良いですが、私は時々、ジオ・プロダクトの片手鍋で「いりごま」を軽く煎り直します。シール効果の高いこの鍋は熱伝導が均一なため、ごまが焦げずにふっくらと香り立ちます。

  • 食べる直前に「自分でする」: 香りが最も高く、油の酸化が少ないのは、食べる直前にすること。小さなすり鉢で「今日も一日お疲れ様」とお腹に声をかけるように、ゆっくりとごまをすります。

  • 炊きたてご飯と最高の一致: 毎日炊飯器で炊く艶やかなご飯の上に、このすりたてのごまをパラリ。レンジでチンしたご飯では消えてしまう、お米の甘みとごまの香ばしいハーモニーは、まさに「心の薬」です。


おわりに:小さな一粒に、大きな敬意を

ごまを摂ることは、ただの栄養補給ではありません。 硬い殻に守られた栄養を、自分の手で細かく砕き、体に優しい形にして受け入れる。その丁寧なプロセスそのものが、持病を持つ私たちが自分を慈しむ時間になります。

「粒」ではなく「粉」として。 自然の恩恵を最大限に、かつ安全に享受しながら、今日もお腹の平穏を積み重ねていきましょう。