スーパーやコンビニの棚に並ぶ、色とりどりの加工食品。

賞味期限が長く、いつでも手軽に食べられる便利さは、現代社会の恩恵です。

しかし、原材料ラベルをじっくりと眺める習慣がつくと、ある特定の文字が気になり始めます。

「保存料(ソルビン酸K)」

カビや細菌の増殖を抑え、食品の腐敗を防いでくれるこの添加物。

一見、安全を守る味方のようですが、UC患者として「腸内環境の最適化」を目指す私にとっては、少し慎重に向き合うべき存在でした。

今回は、私がなぜソルビン酸を避けるようになったのか、その理由と日常での見分け方をお話しします。


1. ソルビン酸は「菌を抑える」スペシャリスト

ソルビン酸(およびソルビン酸カリウム)は、カビや酵母、細菌の増殖を抑制する力が非常に強い添加物です。

  • なぜ使われるのか: 食中毒を防ぎ、食品ロスを減らすために、ハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、ジャム、ワイン、そして和菓子など、驚くほど幅広い食品に使用されています。

  • 安全性は: 国の基準内であれば毒性は低いとされており、速やかに代謝・排出されると言われています。

しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。

「菌の増殖を強力に抑える物質が、私たちの腸内に住む『善玉菌』に影響を与えないだろうか?」

という点です。


2. 潰瘍性大腸炎(UC)患者が「保存料」に慎重になる理由

私たちの腸は、100兆個もの細菌が絶妙なバランスで共生している「花畑(フローラ)」です。

UCの再燃を防ぎ、寛解を維持するためには、このフローラを多様で豊かな状態に保つことが欠かせません。

  • 腸内細菌への影響: 保存料は、食品中の菌を抑えるのが仕事です。それを口にしたとき、私たちの腸内に住む大切な善玉菌たちが、その影響を全く受けないと言い切れるでしょうか。微量であっても、毎日摂取し続けることで、腸内環境の多様性が失われるリスクを私は危惧しています。

  • 粘膜への刺激: デリケートな腸粘膜にとって、化学合成された保存料は、わずかな「ノイズ」になり得ます。本来の自然な食べ物には存在しない物質を排除することで、腸を徹底的に休ませてあげたい。それが私の考えです。


3. ソルビン酸が「潜んでいる」意外な場所

ソルビン酸を避けるためには、まず彼らがどこに隠れているかを知る必要があります。

  • 練り物: ちくわ、かまぼこ、はんぺんなどの魚肉ねり製品(意外と多く含まれています)。

  • 食肉加工品: 安価なハムやソーセージ、サラミなど(発色剤とセットで使われることが多いです)。

  • お惣菜・お弁当: コンビニやスーパーの常温保存に近いパック惣菜。

  • 漬物・煮豆: 伝統的な保存食に見えて、現代の製品には日持ちのために添加されていることがあります。

私は、これらを購入する際、必ずパッケージを裏返して成分表示を確認します。

「保存料不使用」の文字を見つけた時の安心感は、何物にも代えられません。


4. 「腐る」ことは、自然であるということ

保存料が含まれていない食品は、当然ながら賞味期限が短くなります。

  • 以前の私は、「期限が短いのは不便だ」と思っていました。

  • 今の私は、「期限が短いのは、菌が活動できるほど自然な状態である証拠だ」と捉えています。

食べきれる分だけを買い、新鮮なうちにいただく。

この当たり前のリズムを取り戻すことが、結果としてお腹の調子を整えることに繋がっています。


おわりに:自分の腸の「検問」を厳しくする

「ソルビン酸が入っているから、一口も食べてはいけない」と神経質になりすぎる必要はないかもしれません。

しかし、自分の体に入るものを選ぶ権利は、常に自分にあります。

「これは私の腸内細菌たちが喜ぶものか?」

「わざわざ保存料が入ったものを選ばなくても、代わりの選択肢はあるのではないか?」

そう自問自答しながら、少しずつ「引き算」をしていく。

その一歩一歩が、数ヶ月後の安定したお腹を作ってくれると信じています。

あなたの腸という花畑を守れるのは、ガーデナーであるあなた自身だけなのですから。