朝食の食卓に並ぶ、目玉焼きとパリッと焼けたソーセージ。

20代の忙しい朝、手軽にタンパク質が摂れて、ご飯にもパンにも合うソーセージは、私の強い味方でした。

しかし、潰瘍性大腸炎(UC)と診断され、口に入るものがダイレクトにお腹の調子に直結することを痛感して以来、私はスーパーの加工肉売り場で立ち止まるようになりました。

商品の裏側、「原材料名」の欄にある「発色剤(亜硝酸Na)」という文字。

調べてみると、この添加物は発がん性があるかもしれないものだということ。

今回は、なぜ私が発色剤入りの加工肉を避けるようになったのか。

その医学的な背景と、それによって変わった「食の選択基準」についてお話しします。


1. あの食欲をそそる「ピンク色」の正体

ハムやソーセージの断面が、時間が経っても鮮やかなピンク色を保っているのを不思議に思ったことはありませんか?

本来、肉は加熱すると茶色や灰色っぽく変色します。

焼肉やお肉が入った鍋を想像してみてください。

加熱してしっかり熱が入った肉がピンク色のなわけがないですよね。

このような加熱をした肉の変色を防ぎ、美味しそうな色を固定するために使われるのが「発色剤(亜硝酸ナトリウム)」です。

もちろん、国の基準で使用が認められている添加物であり、ボツリヌス菌の増殖を抑えるという重要な役割もあります。

しかし、近年では以下のようなリスクも指摘されています。

発がん性物質への変化

亜硝酸ナトリウムが肉に含まれるアミンという物質と反応すると、「ニトロソアミン」という強い発がん性を持つ物質に変化する可能性が指摘されています。

(WHOの研究機関IARCも、加工肉を「発がん性がある」グループ1に分類しています)

腸内環境へのストレス

私たちUC患者が最も守るべきは、腸内細菌のバランスと、腸粘膜の健康です。

強い抗菌作用を持つ物質を日常的に摂取することは、腸内フローラにとって「望ましくないノイズ」になり得ると私は考えています。

ただでさえ炎症を起こしやすい腸を抱えているのに、わざわざリスクの火種になり得る化学物質を入れる必要があるのか。

そう自問した時、答えは「NO」でした。


2. 30代男性のリアル:「便利さ」の裏側に潜むリスク

コンビニのお弁当に入っている小さなウインナー、居酒屋のベーコンポテト、サンドイッチのハム。

意識して見てみると、私たちの周りは発色剤入りの加工肉で溢れています。

以前の私は、味と手軽さだけでこれらを選んでいました。

しかし、UCという病気は「自分の体が何でできているか」を残酷なほど教えてくれます。

体調が良い時は気にならなくても、少しお腹が不安定な時期に添加物の多い食事を続けると、なんとなくお腹の張りが取れなかったり、便の状態がスッキリしなかったりする。

そんな小さな「違和感」の積み重ねが、私を原材料表示の確認へと向かわせました。

「便利さ」の代償として、自分の腸に負担をかけ続けることは、もうやめようと思ったのです。


3. 「制限」ではなく、未来への「投資」

発色剤入りの食品を避けることは、私にとって「我慢」や「制限」ではありません。

それは、自分の腸を労り、明日も明後日も元気に過ごすための「積極的な投資」です。

30代という働き盛りの時期に、病気に振り回されず、安定したパフォーマンスを発揮し続けるためにも、体に入れるものにはこだわりたい。

そう思っています。