カルシウムは体内で最も多いミネラルであり、その99%は骨と歯に貯蔵されています。しかし、残りの1%が血液や細胞に存在し、心臓を動かし、神経の興奮を鎮めるという極めて重要な役割を担っています。

UC患者にとって、カルシウムは「骨を守る盾」であると同時に、「荒ぶる腸と心をなだめる鎮静剤」でもあるのです。


1. ステロイド副作用への「防衛線」:30代からの骨貯金

UCの治療において、ステロイドは強力な味方ですが、骨にとっては大きな脅威となります。

  • 骨吸収の促進: ステロイドは骨を壊す細胞(破骨細胞)を活性化させ、逆に骨を作る細胞(骨芽細胞)の働きを抑えてしまいます。

  • 「今」がラストチャンス: 人間の骨量は20代〜30代前半でピークに達し、その後は維持または減少していきます。30代の今、意識的にカルシウムを補給することは、将来の骨粗鬆症や骨折を防ぐための「最後の骨貯金」なのです。


2. 「差し込み」と「イライラ」を鎮める天然の安定剤

カルシウムには、神経の興奮を抑え、筋肉の収縮をスムーズにする働きがあります。

  • 腸のリラックス: マグネシウム(緩める)とカルシウム(縮める)がバランスよく働くことで、腸は正常なリズムを刻みます。カルシウムバランスが崩れると、腸の筋肉が過敏になり、UC特有の「差し込むような痛み」の一因となることがあります。

  • 心の平穏: 「カルシウムが足りないと怒りっぽくなる」というのはあながち間違いではありません。仕事のプレッシャーが多い30代、神経の伝達をスムーズに保つカルシウムは、ストレスから腸を守るための「心のバリア」になります。


3. 【実践】お腹に優しく、吸収率を最大化する「黄金律」

カルシウムは非常に吸収されにくいミネラルの一つです。そこで、これまでの習慣を総動員して「吸収の打率」を上げます。

① 「乳製品」に頼らない選択肢

UC患者の中には、乳糖不耐症や、乳製品に含まれるカゼインがお腹に合わない方も多いはずです。

  • 小魚と大豆の力: 炊飯器でお米を炊く際、**「しらす」や「粉末だし(煮干し)」**を少量加えます。

  • ジオ・プロダクトで「小松菜」の無水調理: 小松菜は乳製品に匹敵するカルシウム源です。ジオの鍋で少量の水で蒸し上げることで、カルシウムを逃さず、かつ繊維を柔らかくしてお腹への負担を減らして摂取できます。

② ビタミンD・C・マグネシウムとの連携

  • 運び屋(ビタミンD): 散歩で合成したビタミンDが、腸からのカルシウム吸収を助けます。

  • 接着剤(ビタミンC): ジオの鍋で守ったビタミンCが、コラーゲンを作り、カルシウムを骨に定着させます。

  • 司令塔(マグネシウム): 炊飯時に入れた「にがり」が、カルシウムが血液中で適切に働くようコントロールします。


4. 南部鉄器ユーザーが知っておくべき「飲み合わせ」

ここで一つ、合理的なアドバイスがあります。

  • 鉄分との競合: カルシウムと鉄分(南部鉄器から溶け出す非ヘム鉄)は、小腸での吸収経路が似ているため、同時に大量に摂るとお互いの吸収を阻害し合う性質があります。

  • 解決策: 通常の食事の範囲(白湯を飲みながらご飯を食べる程度)では神経質になる必要はありません。もしカルシウムサプリメントを併用する場合は、南部鉄器の白湯を飲む時間と1〜2時間ずらすのが、30代のスマートな栄養戦略です。


5. 注意点:過剰摂取と「シュウ酸」の罠

  • 血管の石灰化: カルシウムだけを過剰に摂り、マグネシウムが不足すると、カルシウムが骨ではなく血管に沈着(石灰化)するリスクがあります。必ずマグネシウムとのバランス(Ca:Mg = 2:1〜1:1)を意識しましょう。

  • 結石予防: ほうれん草などに含まれる「シュウ酸」は、カルシウムと結合して結石の原因になります。ジオの鍋で調理する際は、シュウ酸の多い野菜は一度サッと下茹でするなど、お腹と腎臓への配慮を忘れずに。