マグネシウムは、体内の300種類以上の酵素反応に関わる「万能の潤滑油」です。エネルギーを作り出し、筋肉を動かし、神経を落ち着かせる。しかし、慢性的な炎症や下痢を抱えるUC患者は、この大切なミネラルが真っ先に失われやすいという現実があります。


1. ビタミンDを「起動」させるための必須キー

前回の記事で、ビタミンDがUCの免疫調整にいかに重要かをお話ししました。しかし、ここで衝撃的な事実があります。

  • マグネシウムがないと動かない: 実は、ビタミンDが体内で「活性型」に変化し、免疫に作用するためには、マグネシウムの助けが絶対に必要なのです。

  • 無駄にしないために: せっかく太陽の光を浴び(散歩)、日光に当てたしいたけを食べても、マグネシウムが不足していれば、ビタミンDは眠ったまま。この2つは「セット」で初めて真価を発揮します。


2. 「筋肉」と「心」の緊張を緩める

UC特有の「お腹の差し込み(腹痛)」や、ストレスによる「お腹の張り」。これらは腸の平滑筋が過剰に緊張しているサインです。

  • 天然の鎮静剤: カルシウムが筋肉を「収縮」させるのに対し、マグネシウムは「弛緩(リラックス)」させる役割を担います。マグネシウムが十分にあると、腸の過剰な動きが落ち着き、差し込むような痛みが和らぎやすくなります。

  • 30代のメンタルケア: 仕事のストレスを感じると、体は大量のマグネシウムを消費(排泄)してしまいます。「イライラする」「まぶたがピクピクする」といった症状は、マグネシウム不足のサイン。心とお腹は繋がっているからこそ、このミネラルが防波堤になります。


3. 【UC流】下痢をさせない「攻め」と「守り」の摂取術

ここで最大の注意点です。マグネシウムは「下剤」としても使われる成分(酸化マグネシウムなど)であり、一度に多く摂りすぎると、腸内に水を引き寄せて下痢を引き起こします。下痢はUCの再燃を招きかねないため、非常に繊細なコントロールが求められます。

① 「炊飯器」に忍ばせる、にがりの魔法

毎日欠かさず炊く、白米。ここに、液体の**「にがり(塩化マグネシウム)」**を数滴加えます。

  • メリット: ご飯に混ぜることで吸収が穏やかになり、お腹への刺激を最小限に抑えられます。さらに、お米がふっくらと炊き上がるという嬉しい副作用も。

② 「南部鉄器」と「昆布」のシナジー

南部鉄器で沸かした白湯。これに、マグネシウムの宝庫である「昆布」で出汁をとったスープを合わせます。

  • 実践: ジオ・プロダクトの鍋で、昆布からじっくりとミネラルを引き出したお味噌汁。鉄分とマグネシウムを同時に、しかも「自然な食品の形」で摂ることで、体に優しく浸透します。

③ 「経皮吸収」という裏技(エプソムソルト)

お腹が敏感で、口から摂るのが怖い……という時期に私が取り入れているのが、お風呂です。

  • エプソムソルト(硫酸マグネシウム): 入浴剤としてお風呂に入れると、皮膚からマグネシウムが吸収されます。これなら胃腸を一切通さないため、下痢のリスクなく、全身の筋肉をリラックスさせることができます。


4. ジオ・プロダクトで作る「マグネシウムおかず」

ビタミンB群の記事でも紹介した通り、ジオ・プロダクトの無水調理はミネラルを守るのにも最適です。

  • ごまとしいたけの蒸し煮: マグネシウムが豊富な「すりごま」と「日光浴させたしいたけ」を、ジオの鍋で少量の水分で蒸し上げます。

  • 電子レンジを使わないこだわり: 急激な加熱を避けることで、食材の細胞を壊しすぎず、ミネラルを「生き物としての形」に近い状態でいただく。このひと手間が、30代のデリケートな腸には必要なのです。


おわりに:内側の「平和」を保つために

南部鉄器の白湯、炊飯の合間の散歩、ジオの鍋での丁寧な調理。 これらの習慣の中に、そっとマグネシウムを添える。

それは、炎症という嵐が過ぎ去った後の腸を、しなやかに、そして強く整えていく作業です。マグネシウムが満ちることで、ビタミンDも、あなたの心も、そして腸の動きも、本来のリズムを取り戻します。

「今日は少し肩の力を抜いてみよう」 そう思ったら、にがりを一滴垂らしたご飯と、マグネシウム風呂で自分を労わってあげてください。